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これでなっとく使えるスポーツサイエンス
10月 26th, 2005 by icofit

 運動指導の現場にいると、当たり前のように顧客から質問されること。たとえば、
「ウォーミングアップはなんのために行うのか」
「休養をどの程度とると超回復が起きるのか?」
「年をとると筋肉痛は遅れて出るというのは本当なのか?」
 などの質問について、Q & A形式で明快にまとめています。
 回答については、図解や各研究者によるデータを多数含んでいますし、簡潔に見えてかなり詳細に解説していますので、非常に説得力があります。
 もし現場のインストラクターの人がこの書籍を一読していたら、次に質問されたときにはより明確でわかりやすい回答ができるようになるでしょう。いつも携行して、図やグラフなどを見せてあげるという方法もありますが、自分で理解して、自分なりに簡単な図を書いたり、説明できたりするようになるとなおいいかもしれません。

 これは、からだや健康のことに興味がある一般の人が読んでも相当におもしろいと思います。その回答がとても明快に述べられていますから。ぜひ、続編もほしいですね。

使える筋肉・使えない筋肉
10月 25th, 2005 by icofit

 私自身は筋トレが好きでありながら、それが自分の行いたい種目に反映されないことにいらだちをおぼえていた時期がありました。筋トレそのものの効果とパフォーマンスの向上の間にあるギャップを埋めるために、高岡先生の「レフorラフトレーニング」、小山先生の「初動負荷理論」などを勉強してきましたが、超ストレートな題名を持つこの『使える筋肉・使えない筋肉』は非常に明快な答えを出してくれました。
 未だにこのようなことが論じられる背景には、「大きさも筋力もあるけど使えない」筋肉が確かに実在し、また反面、「大きさも筋力もあって、しかも使える」筋肉も実在するという状況があるのでしょう。私が武術を練習していて調子を落としたときには、私は筋トレによって私の筋肉を前者の「使えない」筋肉に作り替えてしまったということがいえます。厳密には「使えない」のではなくて、「使い方が悪い」というのが正しいのでしょうが。

 この書籍では、筋力トレーニングが「使えない」筋肉を作っていくメカニズム、それを解決する方法などが詳しく紹介されています。文章もなるべく平易にしているようで、読みやすく仕上がっていますので、スポーツトレーナーだけでなく、スポーツパフォーマンスと筋トレに関して疑問をお持ちの方、これから競技に筋トレを採用していこうとしている方などにおすすめです。

「奇跡」のトレーニング
10月 25th, 2005 by icofit

 初動負荷理論について、『トレーニング革命』『新トレーニング革命』の著者である小山裕史先生が、一般向けの読み物としてわかりやすく書かれた書籍です。
 ここでは、あえて「身体操作」のコーナーにこの書籍を入れましたが、著者の身体運動に対する分析と洞察は群を抜いています。この本を2003年に入手する前に、何冊も身体操作をテーマに書かれた書籍を読んでいましたが、書籍に記載された内容を真似して「即」パフォーマンスを上げられるという経験をしたのは、今のところこの本だけかもしれません。
 たとえば、私の長男は小学校低学年から短距離走が得意で学年でも1,2位を争う力を持っていました。しかし、上半身に力が入りすぎていて、若干ぎこちなさがありました。それに対して、私は「もっと力を抜いて」とアドバイスするのですが、どのようにすれば子供が走るときに「力を(正しく)抜けるのか」を説明することができません。
 そこで、この書籍に紹介されていた「初動負荷スタート」を試してみることにしました。といっても、イラストを直接見せて、簡単なアドバイスをしただけです。それによって、本人も何らかのコツをつかんだようで、直後に行われた運動会では、2位以下を大きく引き離して学年1位の座を射止めたのです。明らかに上半身の力が抜け、肩胛骨が柔らかく動いてくれるかわりに、腕振りが以前より小さくなっていました。小学校4年生になった今年は自分なりに必要な脱力の方法をおぼえたようで、より安定した走りができるようになっていましたが、これも小山先生の『「奇跡」のトレーニング』がきっかけであったわけです。

新トレーニング革命—初動負荷理論に基づくトレーニング体系の確立と展開
10月 25th, 2005 by icofit

 小山先生の善著『新トレーニング革命』とタイトルは同じながら、全く新しい理論である「初動負荷理論」(しょどうふかりろん)が追加されたことにより、非常に興味深い資料として仕上がっています。この「初動負荷理論」は、引き延ばされた筋肉が元の長さに戻ろうとする力や、より強く収縮しようとする反射(SSC:ストレッチ・ショートニング・サイクル)を利用し、筋肉の機能を高めるトレーニング理論の一つと考えられます。
 1980年代後半まで、私は筋力トレーニングによる筋力の向上と自分が練習していた武術のパフォーマンスについて、必ずしも正比例の関係を作れないことに疑問を持ち続けていましたが、高岡英夫先生の「レフトレーニング」と「ラフトレーニング」の理論で一つの整理ができました。しかし、当時の書籍では、理論としては詳細でも手段としては非常に曖昧であったため、決して解決に至ったわけではありませんでした。
 そんな折り、1990年代半ば頃になりますが、小山先生のこの新しい著作に出会ったわけです。今まで、筋力の向上とパフォーマンス(外面から評価できる実行結果)の改善にの関連については、「筋力が高まればパフォーマンスが高まる」と短絡的に決めつけられていただけでした。しかしながら、現実にはその両者はあまりにも乖離した要素だったのです。だからこそ、一部で「筋トレは筋肉を堅くする」「スピードが落ちる」といった表現も生まれたのでしょう。これらは一時迷信と言われましたが、事実多くのスポーツ選手がパフォーマンスの低下を経験していますし、私自身も体験しています。
 しかし、この書籍に収録された「初動負荷理論」および、それを証明する各種データは、筋肉の機能とパフォーマンスの関係をかなりのレベルで明らかにしています。筋肉を太くして、筋力を大きくすることだけではなく、その筋肉が実際のパフォーマンスの際にどのような使われ方をするかを意識することで、より有益なトレーニングとすることができるのです。

 トレーニング理論を初めて勉強する人にとっては少々難解かもしれませんが、非常に示唆に富んだ有益な資料となりうる書籍です。

新トレーニング革命
10月 25th, 2005 by icofit

 私が筋トレ関連の書籍で最も影響を受けた書籍『トレーニング革命』の改訂・増補版的な書籍といえます。
 内容的にはかなり強化されていて、種目解説は前著より遙かに詳細で、分解写真の数も多くなっています。
 スポーツへの展開に対しては、前著から触れられてはいましたが、この書籍では野球のバッティングやピッチングの分解写真を収録し、そのフォームを分析して、対応する筋肉やトレーニング法などについて、より積極的に取りあげています。その中でも私が特に注目したのは、肩胛骨周辺の機能の重要性について、15ページにもわたって解説していることです。肩胛骨の動きがどれだけ重要かについては、ここ最近の「身体操作」系の書籍で盛んに紹介されるようになってきていますが、この当時、一般向けの書籍でここまでわかりやすく、詳細に述べている書籍は多くありませんでした(あったとしても、著者にしかわからないような、曖昧な理論だったりしました)。
 この書籍を購入したことで、前著には引退していただき、後輩に譲ったことをおぼえています。それでもあとで懐かしくなって、古本屋で2冊目を購入して、この『新トレーニング革命』と読み比べたりしていたのですが。

健康のためのスポーツ医学—運動とからだのしくみ
10月 25th, 2005 by icofit

 この本を見つける少し前に購入した『トレーニングの科学』が非常によかったため、同じ講談社ブルーバックスのこの本に興味を持ちました。エネルギー供給系のメカニズムについて、知識を補足する目的で購入した記憶がありますが、この読み物にはそれ以上の付加価値があったと思います。
 印象的だったのは、当時、疲労物質としてだけの評価しかされていなかった「乳酸」について、筋肉にそれをエネルギー源として利用する機能があるという可能性を示唆していたのです。今でこそ、八田秀雄先生らが乳酸をテーマにした書籍や論文を発表されていますが、当時まだ知識の少ない私にとっては、とても興味深い示唆を与えてもらったと思っています。一つの現象を非常に限られた視点でみると、その中での事実ははっきりしたものになります。しかし、それを全体の中の一つの部分としてとらえると、いろいろな要素が絡み合うため、その部分的な結果が示すものが全体に反映されるとは限らない、ということにも気づかされました。
 また、健康と運動の関係を主なテーマにしています。健康状態を維持したり、改善したりするための運動処方の考え方はその後の私にとって重要なテーマになりましたが、この書籍はその基礎を非常に分かりやすく説明できていると思います。

 ただ一つ不満だったのは、筋力トレーニングが健康に及ぼすプラスの影響について、何も言及されていない、ということでした。その当時、日本のスポーツ科学はケネス・クーパー先生の『エアロビクス』理論に大きく依存していたと思われ、健康運動の研究対象となるプログラムもほとんどが有酸素運動のようでした。それに対して、筋力トレーニングは前時代的なヘティンガーの理論を蒸し返して批判することに終始していた印象があります。それを考えれば、この書籍の構成としてレジスタンス・トレーニング・エクササイズを含めることができなかったのは、いたしかたなかったのかもしれません。

トレーニングの科学―パワー・アップの理論と方法
10月 25th, 2005 by icofit

 1985年に東京に出てきて、しばらくの間私は新宿のスポーツクラブのフロントスタッフとしてアルバイトをしていました。もともとはトレーニング・ジムのインストラクター希望だったのですが、ジムの要員に空きはなかったので、将来的な異動を期待しながら勤務をしていた、という状況でした。
 ただ、そのジムのインストラクターは、単に競技やトレーニングの経験がある、というだけではつとまるものではありません。自分の体を作ることと、顧客のお手伝いをすることは全く次元が異なることだったのです。
 そんなとき、この本に出会いました。これは、一般の人にもわかるようにやさしく書かれた「読み物」ですので、初めてトレーニング科学と呼ばれるものを学ぶ私にとっても非常に有益でした。特に、エネルギー産生に関する理論(非乳酸性機構、乳酸性機構、
有酸素性機構)をこの書籍で真っ先に理解したことは、その後専門書をひもとくのに大いに役立った印象があります。この本を読むまでは単に「持久力をつけるトレーニング」「筋肉の力をつけるトレーニング」という漠然としたものでなかった知識が、ハイパワートレーニング、ミドルパワートレーニング、ローパワートレーニングという明確な整理をできたのです。
 結局、この本をきっかけに本格的にスポーツトレーニングに興味を持つことになりました。現在の莫大な蔵書のスタートとなったのが、この本であった、と言っても過言ではないと思います。

スポーツの栄養・食事学
10月 19th, 2005 by icofit

 私がフィットネスインストラクターを始めた頃は、運動・栄養・休養のうち、運動に極端に偏った勉強をしていたと思います。当時、「マシンインストラクター」、つまりトレーニングマシンを中心とした筋トレのインストラクターという意識が強かった、というより余裕がなかったのかもしれません。実際、そのスポーツクラブの研修も栄養、休養に関する研修はありませんでした。
 しかし、私が別のスポーツクラブに移ったところ、上記の3つの要素のうち、運動と栄養に関する研修が含まれていました。このため、私は栄養に関するさらなる知識を身につける必要性を感じ、鈴木正成先生のこの著書を友人から借りました。
 当時、一般的な栄養学というと栄養素のバランスや絶対量に終始していた印象がありますが、この書籍では3度の食事における栄養素のバランス・絶対量だけでなく、それをとるタイミングの重要性に関する指摘が見られました。たとえば、1日に同じ栄養素のバランス・絶対量をとる2人の同レベルのアスリートがいたとして、そのうち1人が自分にとって最適なタイミングに、目的に適った食事をとることでパフォーマンスに差をつけることができるという可能性を示唆していたのです。

 スポーツクラブの会員の皆さんのトレーニング目的として、「減量」を求める人は圧倒的に多かったので(これは当時会員の7割が女性、しかも平均年齢が20台前半、ということにも影響されていたかもしれません)、「ウエイトコントロールのための食事学」の項は非常に役立ちました。また、当時線が細かった私にとっては、「からだづくりの食事学」の項が興味深く、自分のための食事法として採り入れていました。

 この本のおもしろさに、私はすぐに自分用の同じ本を購入し、再読しました。さらに、食事・栄養学に興味のあった後輩社員に進呈したので、私の手元にあるのは2冊目です。

鍛練の理論―東洋的修行法と科学的トレーニング
10月 19th, 2005 by icofit

 この書籍を購入する以前から、私は高岡先生の発表される書籍には興味を持っていて、すでに数冊を購入済みでした。ただし、私にとってはそれらはとても難解なものであったため、自分にとって理解できる部分、必要な部分のみを選択して吸収する、という態度をとっていたと思います。
 1980年の後半になり、私は中国武術を練習するようになっていましたが、その先生からも、経験の長いお弟子さんからも「筋トレは中国武術を理解するためには、百害あって一利なし。それを続けていては、この武術の特徴的な『チカラ』を得られないよ」と口を酸っぱくしていわれました。かといって、私の当時の肩書きは「マシン・インストラクター」。つまり、筋トレの指導員です。数ヶ月間やめてみたものの、せっかく作った体が失われていくのに耐えかね、時々筋トレを再開しては休む、というようなことを繰り返しました。ここで認識したのは、明らかに筋トレ休養期間のほう、特にそれが長いほうが私のパフォーマンスがよい、ということです。私が知るスポーツ科学では、筋力の向上はパフォーマンスのUPにつながるはずでした。しかし、中国武術にはそれが当てはまらない…。少なくとも私には。
 そんなジレンマを感じていたときにこの『鍛錬の理論』に出会ったわけですが、そのときの衝撃は未だに忘れられません。その理論の中に、私がずっと感じていたジレンマの原因を解明する大きな「ヒント」が記述されていたのです。
 この書籍では、一つ一つの部分的なメカニズムを実証していくスポーツ科学へ、東洋的な、より包括的なアプローチを加えることによって、大胆な概念・仮説が打ち立てられています。私が影響を受けたのは「レフパワー」と「ラフパワー」という考え方で、それらに対応する鍛錬法として「レフトレーニング」「ラフトレーニング」が存在するという部分です。
 私の悩みを解決するための具体的な方法が見つかったわけではありませんが、私が「高度なレフパワーを要求する武術に対して、ラフトレーニングを適用してしまっている」という整理をすることができたのです。
 これらが何を意味するのかについてご興味がある場合は、実際に書籍を手にとって確認してください。

 ただ、たとえばレフトレーニングという考え方は、包括的な概念としては明快でも、心身を操作するための具体的な方法とそれを実証するデータまでは紹介されていません。包括的な概念は要素が複雑に絡み合っているので、それらの要素の関連そのものを実証するのが難しいということもあると思います。このあたりについては、先生の近作でその一部の実証に挑んだ際のデータが公開されていますので、別の機会に。

 この書籍も一般の人が理解するには非常に難解です。ですが、有益なトレーニングに興味があって、『鍛錬』シリーズにまだ触れたことがない方は一読をおすすめします。

 私が入手した第1版第1刷では、運動生理学的な用語の解説中に、対の用語を反対に解説する誤りがありましたが、最新版で修正されているかどうかはまだ確認していません。

トレーニング革命
10月 19th, 2005 by icofit

 高校時代に競技力UPのために筋トレを始めてから、単に種目をこなせば目的の筋肉を発達させることができる、と考えていた私ですが、スポーツクラブでアルバイトを始めた頃、そういった認識を甘さを思い知ることになります。
 1980年代半ばは、フィットネス・ブームによって日本各地にスポーツクラブ、フィットネスクラブが乱立した時期であり、私が初めてフィットネスインストラクターのアルバイトに応募したときも、200人以上の応募者がいたと聞いています。
 しかし、当時のインストラクターと呼ばれる人たちの大部分が学生・フリーのアルバイトであり、ただ単に「最先端といわれるマシンの使い方」について「解説」をするだけの存在にすぎませんでした。このインストラクターを始めるか始めないかの頃、私が出会ったのが、この小山先生の「トレーニング革命」だったのです。この本が、私の「インストラクターとしての意識を根本から変えてしまった」といっても過言ではないでしょう。単に種目をこなすだけでは、一定以上の効果を得るのが難しく、障害を防ぐための重要な意識も高めることができないのです。
 それまでの書籍は、たとえば「ベンチプレスでバーベルを支えるときは、手首を曲げないように」というレベルで表現していましたが、この書籍では「どの指をどういう風に使って、どういう方向に力を加えると手首が曲がらない」というレベルでの解説が行われているのです。
 口で「手首を曲げないように」といえても、そのやり方を知らなければ顧客の「手首の固定方法」が正しいかどうかを評価することはできません。この書籍は本当の意味で私を自身の「無知」に向かい合わせてくれた貴重なものだといえます。

 ただし、この書籍のみでは筋力トレーニングが本当に各種競技のパフォーマンスを向上させるのに確実に役立つのか、といった疑問を解決するまでには至らなかったことも事実です。後に、小山先生は「初動負荷理論」を発表されましたが、それによって私の疑問のいくつかも解決されたのですが、そのことについては先生のより新しい書籍を紹介させていただくときにでも。

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