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Archive for 2月 6th, 2006

ボディバランスを獲得するスタビライゼーション—身体能力を著しく向上させる実戦的トレーニング

06 2月

 最近、スタビライゼーション系のエクササイズがもてはやされていますね。特にピラテスや、ピラテスにその一部の要素を採り入れられたヨーガは、現在では専門のスタジオで行われるだけでなく、スポーツクラブの人気種目になっています。
 この書籍は、ドイツで指導されていたドリルや、東洋体育で用いられている各種エクササイズを、中央学院大学教授の小林先生が「スタビライゼーション・エクササイズ」としてまとめられたものです。話は逸れますが、東洋体育では古くからこういったスタビライゼーション系の安定感維持、向上エクササイズが開発され、行われてきました。
私自身も中国武術を練習してしましたが(基礎練習は今でも行っています)、先人の知恵に感動させられます。
 さて、私自身は人気のピラテスでとる姿勢を見たりとったりすると、ときどき違和感を感じる場合があります。それは、私がこれまで勉強してきた身体運動学的な基礎知識と相容れない部分があったりするからだと思いますが、このスタビライゼーションについては、かなりの部分でしっくりきます。それぞれの動作、といっても最初の段階では易しい、動きの小さい姿勢が多いのですが、豊富な写真と簡易な解説で、とてもわかりやすい内容になっています。この本を見ながら、初級エクササイズを行うこともさほど難しいことではないと思います。
 基礎的な筋力を高めてパフォーマンスを上げたい人、関節の安定性を高めて怪我を予防したい人、運動不足を解消したい人など、幅広くおすすめしたい書籍ですね。

 
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エネルギー代謝を活かしたスポーツトレーニング

06 2月

 八田先生の前著『乳酸を活かしたスポーツトレーニング』は非常に興味深い内容でしたが、この書籍ではより発展的な内容になっています。研究が進んで、新しい知見が得られたことによるものかもしれませんが、疲労物質ではないという乳酸の立場がより断定的に述べられるようになっていました。また、先生は「すべての運動は有酸素運動である」「無酸素運動なんてありえない」という主張をされています。
 確かに、スポーツに関する専門用語は、一般に広まる際にマスメディアというフィルターを通すことによって、有酸素運動、無酸素運動、乳酸などについての情報があまりにも限定的になりすぎているように感じます。たとえば、乳酸は「疲労物質である」と書かれ、脂肪は「有酸素運動でしか燃えることはありえない」と紹介されたりします。しかし、これらの専門用語が持つ意味はそんなに限定的なものではないのです。エネルギー代謝のメカニズムとして、ATP-CP系、乳酸系、有酸素系というものがあるという話は有名ですが、一般に読まれるレベルの読み物だけでなく、一部の専門書でも、それらが単独に独立して働くのではないか、と思わせるような記述が往々にして見られます。おそらく八田先生はこの書籍でそういった誤った先入観を正していこうと思われたのかもしれません。
 ただ、無酸素運動なんてありえない、という前に話のスコープをしっかり切っておかないと水掛け論になってしまうでしょう。また、anaerobic exerciseの訳として、無酸素運動という邦訳が正しいのかどうか、という点などもしっかり考慮しておくべきです。
 一般的に、あるいは専門的に「無酸素運動」「有酸素運動」といわれるそれぞれの運動は、上記のATP-CP系、乳酸系、有酸素系のどれが主体となって、筋肉中のATPの再合成を担うか、それらがどの程度継続できる運動なのかなど、全く異なるものです。ですから、私自身はこれらを分類して整理することは必要だと考えています。ですから、「無酸素運動なんてありえない」というより、「よりわかりやすい正しい意味合いの言葉を考える必要がある」というほうが、私にとっては重要だと思っています。
 また、本当に乳酸が疲労物質ではないのか、と断定するには、私にはこの本の内容だけでは情報不足の感が否めません。ただ、乳酸疲労説を置き換えるだけの疲労の原因について、この書籍で言及されていることは非常に価値があると思います。
 多少のつっこみを入れてしまいましたが、それは私がこの書籍がそれだけ意味を持ったテーマを扱っていること、ここ数年で群を抜いておもしろかった読み物のうちの1冊である、ということを認めているからです。

 
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乳酸を活かしたスポーツトレーニング

06 2月

 私自身は直接行ったり、使用したことはありませんが、スポーツトレーニングの世界では、血中乳酸値を利用したテスト、運動処方、トレーニングが行われるようになってきています。今では一般の人でも「乳酸というのは疲労物質である」という認識をお持ちなのではないでしょうか?
 この書籍では、乳酸が必ずしも「疲労物質ではないこと」、そして「エネルギー源となること」がわかりやすく解説をされています。これらについては、1984年に発売された『健康のためのスポーツ医学』でも新しい知見として紹介されていたので、私自身スポーツ業界に身を置く前後からそのようなものだと思っていました。だから、大きな驚きなどはなく、自然にこの書籍を読むことが出来たのだと思います。
 この書籍は誤解を受けやすい乳酸をテーマに、それを活かしたスポーツトレーニングの世界がわかりやすく解説されています。より新しい情報を盛り込んだ後発の『エネルギー代謝を活かしたスポーツトレーニング』と併せて、乳酸に関する基礎知識を得たいアスリートの方におすすめします。

 
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